2010年04月01日

“Hacoa”(ハコア)&セレクトショップ“ロブジェ”

北陸道の鯖江ICを降りて東の方へ向かうと、その辺りの伝統工芸である漆器の工房や問屋が軒を並べる河和田町がある。大通りを折れて少しすすむと、ガラス張りの開放的な建物がまるで出迎えてくれているかのように顔をこちらに向けてたたずんでいる。越前漆器の産地であるこの地で古くから木地づくり(漆を塗る前段階の白木の状態の器物)をされている山口工芸さんの社屋です。
外観 ハコア外観

オリジナルブランドである“Hacoa”(ハコア)はとても素敵なデザインの商品ばかりで、数々の雑誌に掲載され、いろんな賞を受賞されていることで知られています。デザイン部の梅本さんにいろいろとお話を伺いました。

そもそもHacoaを立ち上げられたきっかけは、漆器の木地製造の技術を何か他にも活かしたいという思いからで、素材の表情や、木の癖、肌ざわりなどを大切にしながらデザインや企画をされているとのこと。
イメージに描いた案はすぐ工房で試作し、形にして納得いくまで試行錯誤できるのが自社デザインと製作を一貫して行っている強みですね。
そのデザイナーになるには、隣接する工房であらゆる作業工程を経験し、木の特性やコスト管理などを勉強してから初めて携われるなど、木工品に対しての熱意に感銘を受けました。
もともとは事務所、作業場、倉庫などがバラバラにあったのですが、作業効率を上げるために現在のように工程に沿った動線になり、またその工程や作り手の意思、打合せ風景などがよく見えるようにとの思いから福井の丸山晴之さんが設計をされ、ほぼ当初のプランのままで現在の開放的な新社屋が完成したそうです。
商品の製作段階で出る端材を利用して、造作建具にオリジナルの取手や引手が取付けられてたり、建築的に刺激を受けるところがたくさんありました。

実際に工房を歩きながら、工程に沿って説明をしてくださいました。
工場の様子 工場の様子

まず、材料を乾燥させている木倉庫にはいろんな材種があり、本来ならばデザイン性の高い無垢材の手づくり商品は高価になってしまうところを、USBメモリなどの小さい商品は端材を利用するなどして手頃な価格にする為のコスト的な工夫もされています。

工場では大きい板材からの削り出し作業をされていました。
特に目を惹くのがCADやグラフィックソフトからの入力で削り出しをする大型の機械。それらの機械は2Dの動きをするので、立体的なフォルムを作り出す為に特注のビット(刃)がいくつもあり、それらを多用するそうです。
特注のビット(刃) 特注のビット(刃)

話題の「木ーボード」の原型もありました。
木ーボードの原型 木ーボードの原型

続いて新社屋1階の作業場では各パーツの組立や仕上げをし、2階で名入れや梱包が行われていました。この名入れはとても嬉しいサービスで、様々な商品に対応してくださるので、一点モノの贈り物やお祝いにはとても喜ばれると思います。
名入れの機械で作ったオリジナルの引き手 名入れの機械で作ったオリジナルの引き手

トイレのドアも優しい雰囲気 トイレのドアも優しい雰囲気

新社屋1階にはHacoaの商品はもちろん、他の工芸品とコラボレーションした商品などもおかれたセレクトショップ“ロブジェ”があり、少し待ち時間があればその場で名入れもしてくださるそうです。
セレクトショップ ロブジェ セレクトショップ ロブジェ

コラボ商品や、高い技術で製作された品々 コラボ商品や、高い技術で製作された品々

家具でも建築でも無垢材を活かすも殺すも塗装次第といえるほど仕上げの選択はとても大事ですが、その辺りも本当によく考えられていて、樹種の色をそのまま活かし、実際に商品を手に取ると素地かと思うほど肌ざわりがよくて、いつまでもなでていたくなるのですが、ちゃんとそう感じるような塗装が施されているとのこと。
そしてなにげないシンプルなフォルムの雑貨が実は高度な技術によって組み合わされています。
見るほどに、さわるほどに心にうったえる商品ばかりです。
是非、こちらのお店でこの魅力的な商品を手にとって頂いて、木工品にかける思いを感じてほしいです。
今後もいろいろな発想で心をくすぐる商品が出てくるんだろうなぁと、わくわくした気持ちになりました。

最後に、急な取材依頼にも関わらず快諾してくださった山口工芸の皆様、貴重なお時間を割いてとても丁寧にお話してくださった梅本さんに、心から感謝申し上げます。

[取材]山川・小林・松井
ハコア
http://www.hacoa.com/

セレクトショップ ロブジェ
http://www.lobjet-d.com/
posted by 管理人 at 01:41| ショップ